離婚のキモ
ポイントは「書面」
口約束だけで済ませていると、慰謝料・財産分与・養育費などの約束も後々「言った、言わない」と、何度も蒸し返すことに繋がります。
このようなことを防ぐため、約束事は必ず書面に残すことが重要です。
簡単そうに見えますが、時間が経過する程に「書面」の重みは増していくものです。
約束事の主なポイント
夫婦間について
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慰謝料の有無/有る場合は金額、支払いの時期、方法
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財産分与/金額、支払いの時期、方法、不動産については、登記手続きを含めて
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制限事項
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強制執行について
こどもがいる場合
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親権と監護権はどちら?
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養育費の支払い/始期と終期、金額、支払い方法
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こどもの特別費は?
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面接交渉権/頻度、場所、時間、方法
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通知義務
慰謝料の理由や金額は、相場があるような無いような、とても不安なものです。
一時の勢いで「えいやっ」と決めずに、専門家の知見をご活用下さい。
養育費に関しては、これまでの教育環境と離婚後の教育環境を総合的に判断する必要があります。合わせて教育方針(両親の期待)等々も話合いのポイントとなりますので、慎重さが求められます。
約束事に
強制力をもたせる
裁判の判決には強制力があるため、決まったことを守らなかったら強制執行ができますが、離婚協議書だけでは強制執行をすることができません。
慰謝料や養育費の未払いが発生した場合、離婚協議書を証拠として争うには、家庭裁判所に訴えて判決を得たうえで、相手方財産の差し押さえをするという手間と時間がかかります。
そのような事態を避けるため、あらかじめ離婚協議書を公正証書化(離婚に伴う契約公正証書)しておくことをお勧めします。
公正証書とは、弁護士、検察官、裁判官のなどの法律職を30年以上経験し、法務大臣により任命された公証人と呼ばれる人により作成される、当事者間の法律行為や私法上の権利に関する事実について作成される公文書です。
公証役場に謄本が保管されますので、勝手に内容を書き換える事ができません。また、私署文書に比べて、公文書であるその証明力は強力です。
離婚協議書を公正証書化(離婚に伴う契約公正証書)し、“約束を履行しない場合には、強制執行を認諾する旨”が明記されていれば、慰謝料や養育費の未払いが発生した場合に裁判を起こすことなく、財産や給料を差し押さえるなどの法的措置を執行することが可能となります。
相手方がサラリーマンであれば、最大で給与の2分の1を差し押さえてくれます。
離婚協議書を公正証書化するには、公証役場にて手続きをしなければならないという手間がかかりますが、例えば養育費に関して約束通りに支払われるのは3割にも満たない、という統計結果を見ても、強制執行権を担保しておくメリットは非常に大きいと言えましょう。
いざと言うときのための、いわば「保険」です。最後の砦とも言えるこうした文書を作成するにあたっては、様々なノウハウが求めらます。
是非、専門家の知見を活用下さい。