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親権

親権とは

未成年者の子に対して、教育、財産管理、法律行為の代理をすることができる権利を親権と言います。また、身の回りの世話をすること(身上監護)を監護権と言います。

婚姻中は父母が協力して行う権利(共同親権)であり義務を負うものです。離婚時には父母のいずれか一方を親権者として定め、離婚届に記載しなければなりません。

父母の双方が親権を放棄しているケースでは、離婚はできません。

親権者と監護権者は

分けることもできる

親権者を父、監護権者を母とした場合、生活していく上で、母子が同姓でない場合に不都合が生じる場合があります。

こどもは、母と一緒に生活していても氏が異なります。母が再婚する場合、こどもと再婚相手を養子縁組させるためには親権者(元夫)の同意が必要です。親権者(元夫)が養子縁組に同意しなければ、養育親(再婚夫)には親権が移りません。

 

こどもの携帯電話を契約する際には、親権者の同意が必要です。母(監護権者)または養育親(再婚夫)では無く、元夫(親権者)に書類上のサインを貰わなければなりません。その他、こどもの入学進学等においても、同様の問題が生じ得ます。

 

離婚成立後、数年が経過してから、元夫が素直に同意してくれれば良いのですが、心情的に如何でしょうか? 良好な関係が維持できているのでしょうか?元夫が断固として拒むこともあり得るでしょうし、同意する見返りを要求されないとも限りません。

 

親権者と監護権者を分ける場合には、将来に残る不安を十分理解した上での対応が重要です。安易な折衷案として選択すべきものではないと言えましょう。

 

離婚届には親権者の記載覧しかありませんので、親権者と監護権者を別に定める場合には、その旨別の書面を作成されることをお勧めします。

 

監護権の定めを書面に残していない場合は、相手方から親権者として子の引き渡しを求められて後日の紛争になる事も、稀ではありません。

出来ちゃった離婚

婚姻中に夫以外の子を妊娠し、これが原因となって離婚に至るというケースもあります。離婚後に出産したとしても、婚姻中に妊娠した子は自動的に夫の戸籍に入ります(民法772条)。

夫の戸籍に入れないためには、元夫から嫡出否認の訴えを申し立ててもらわなければなりません。家庭裁判所では、DNA鑑定をへて親子関係不存在を確認します。

 

元夫の立場からみると、自分の戸籍に入れたままですとその子が相続人としての地位を確立しますので、現在の子や再婚後に生まれる子との間で相続に関する紛争の可能性が生じてしまいます。嫡出否認の訴えを申し立てることができるのは、出生を知ってから1年以内です。

 

法務省は、平成19年5月21日以後に出生の届出がされた「婚姻の解消又は取消し後300日以内に生まれた子」の出生の届出の取扱いを変更しています(法務省民事局戸籍事務通達H19.5.7)。

 

その内容としては、「婚姻の解消又は取消し後300日以内に生まれた子について「懐胎時期に関する証明書」が添付され、当該証明書の記載から、推定される懐胎の時期の最も早い日が婚姻の解消又は取消しの日より後の日である場合に限り、婚姻の解消又は取消し後に懐胎したと認められ、民法第772条の推定が及ばないものとして、母の嫡出でない子又は後婚の夫を父とする嫡出子出生届出が可能」とするものです。

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